のちに芥川賞を受賞する本好き又吉直樹のさすがの書エッセイ-『第2図書係補佐』又吉直樹
第2図書係補佐。
著者は又吉直樹。
芥川賞を受賞するずっと前に書かれた又吉直樹のエッセイ
又吉直樹といえば『火花』で2015年上半期の芥川賞を受賞したお笑い芸人ですよね。
この『第2図書係補佐』は、『火花』で芥川賞を受賞するずっと前に書かれたエッセイ集です。
よしもとの劇場で配布されていたフリーペーパーのコラム
よしもと∞(無限大)ホールというよしもとの劇場で配布されていたフリーペーパー『YOOH!』で2006年3月から2009年7月の間書かれていたというコラム。
ここから抜粋、また書き下ろしをいくつか加えたものがこの『第2図書係補佐』です。
『第2図書係補佐』は本にまつわるエッセイ
内容は本にまつわるエッセイ。
といっても本の内容を紹介する書評のようなものではありません。
その本を読んで思い出されたエピソード、その本を読んで考えたことなど、本の内容よりも自身のことが語られています。
そのどれもが読書好きであり芸人であることが見事に融合し、唯一無二のユニークな文章となっています。
さすが読書好きというだけあって、文体もさまざまなものが現れます。
自身のエピソードはもちろん、SF的なものや、突っ走った一人語りのようなものまで。
もう本当に飽きさせず全部がおもしろいんです。
とくにおもしろかったのが『杳子』
とくにおもしろかったのは『杳子』の話でした。
爆笑しました。
おもしろすぎて知人にも「めちゃくちゃおもしろいから読んでみて」と紹介しました。
その知人も気に入ってくれ、『杳子』のところを読んですぐに「なにこれ!めちゃくちゃおもろい!」と連絡をくれました。
本を読みたくなります
そしてこの本のスゴいところは書かれている内容もさることながら、取り上げられている本がめちゃくちゃおもしろそうなところです。
全部読みたくなりました。
そしてほとんどを本屋で立ち読みし、実際に購入して読んだものもいくつかあります。
又吉直樹のファンになりました
僕はこの本ですっかり又吉のファンになりました。
『ピース又吉の活字の世界』というかつてやっていたラジオもYouTubeで探して聞き、キネマ旬報でやっていたコラム連載『たしかにお前は大器晩成やけど』もすべて読み(これもめちゃくちゃおもしろかった)、『火花』は発売日に買うなど、『劇場』『東京百景』『夜を乗り越える』『人間』『まさかジープで来るとは』『カキフライが無いなら来なかった』といった著作もほとんど持っています。
『火花』は読んだことがあるけど他はない、という方にもぜひ読んでいただきたいな〜と個人的に思う一冊です。